お知らせ

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2023/03/22

[REPORT]ニューヨークSDGs国連研修

ニューヨークSDGs国連研修が、2020年2月以来の再開となりました。本研修は、「持続可能な開発目標(以下、SDGs)」に関する探究活動とSDGsを採択した国際連合(以下、国連)について学ぶことを目的としています。

2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻によって国際情勢が大きく変わりました。そして、現在もウクライナ侵攻は終わっていません。そのため、ウクライナ侵攻を止めるために有効な手立てが打てていないことへの批判にさらされている国連は、歴史的に一つの岐路に立っていると言われています。そのような国際情勢での研修実施となりました。

2月20日(月)、ニューヨークへ向けて出発する日がやってきました!この日に備えて引率教員、参加生徒全員が体調管理をしっかりと続けてきました。そのおかげで全員が無事に、午前7時 大阪国際(伊丹)空港に集合することができました。校長先生らのお見送りを受けて大阪国際空港を出発し、羽田空港へ無事到着しました。そして、11時すぎに同空港からニューヨークに向けて出発しました。

14時間近くの長いフライトを経て、現地時間の2月20日(月)午前10時にニューヨークへ無事到着しました。到着後、自由の女神を見学することができました。

この日は、生徒たちに長旅の疲れもややみられましたが、その疲れも吹き飛ぶような、自由の女神の優美さ、行きかう人々の多様さ、ニューヨークの巨大さに圧倒されていました。生徒たちの中に、大きな好奇心をかきたてられている様子がみられました。

2月21日(火)は、「アートにふれる」ことをテーマに、メトロポリタン美術館を訪ねました。

世界各地の古代から現代までの様々なアート作品を鑑賞することができました。美術鑑賞は、決して「正しい唯一の答えを見つけること」ではありません。多角的なモノの見方をするだけでなく、自分自身との対話や他者とのコミュニケーションの時間をつくりだしてくれるものです。また、探究活動となるフィールドワークを午後に実施しました。ニューヨークで生徒たちは、自らが設定したSDGsの課題を探究すること目的に、現地でインタビュー、写真撮影、資料調査を行いました。

2月22日(水)は、国連と国連日本政府代表部へ訪問しました。国連では午前10時から国連内を見学しました。

その後、国連職員である山口智也様・見津田千尋様から直接お話を聞くことができました。山口様、見津田様からは国連組織の説明、データに基づいたお話だけでなく、ご自身の経験から感じてこられたこと、今の仕事につなげていくために普段から努力されていることをお聞きすることができました。これからのキャリアを設計するうえで大切なことを学ぶことができました。山口様から「来年もぜひ本校生徒とニューヨークで会うことを楽しみにしています」とのお言葉をいただくことができました。

ランチ後には、国連日本政府代表部へ訪問しました。ここでは、山口参事官からご講話をいただきました。

国連での日本政府の役割についてお話を聞くことができました。積極的平和を実現していくために、日本がリーダーシップを発揮していくことの大切さを学びました。同日の夜にはミュージカルの本場であるブロードウェイで「ムーラン・ルージュ」や「ウィキッド」を観劇しました。どの作品も面白く魅入ってしまい、あっという間の2時間でした。

2月23日(木)は「多様性にふれる」をテーマにブルックリンを訪ねました。ヨーロッパ移民が開拓して発展してきたブルックリンの歴史文化を体験することはとても大切な機会となりました。

ブルックリンはアカデミズム、スポーツ、経済、文化など多様な分野で活躍する人々が集う場所となっていきました。生徒たちはオシャレなお店やエンターテイメントの案内も多く見かけることができました。文化活動が盛んな、活気ある地区になっていることを学んだのではないかと思います。

2月24日(金)は日本への帰国日でした。生徒たちは、「まだまだ調べ足りない」「まだまだ知りたい」という気持ちと、日本に帰って家族や友人たちと、この経験を共有したい気持ちが入り混じったままニューヨークを後にする様子がうかがえました。日本時間の2月25日(土)午後、14時間もの長いフライトで疲れましたが、無事に全員が帰国することができました!

今回の研修で生徒たちは、事前学習を通じて思い抱いていたニューヨークのイメージが見事に壊される経験をすることができたのではないかと思います。多様な人々が共生する巨大都市ニューヨークは、まだまだSDGsの課題も多いことがわかってきました。生徒たちは、多様な人々が共生する難しさを実際に体験したことでしょう。

そして、マスメディアによる報道が、そのまま事実を反映しているわけではないことも実感できたのではないかと思います。実際に会って話を聞き、町をみて自分が感じたこと・わかったことがたくさんありました。この研修を通じて、生徒たちが一回り大きく成長することができていました。まだまだ本人たちは、その自覚はないかもしれませんが、この経験からさらなる学びに向かっていこうとする姿を見て、私たち教員は彼女らの成長のあとを確かに感じ取ることができました。

 

<参加生徒の声>

荻多 茅加(教養コース1-1)
驚いたのは、偽札が多く出回っている話を聞いたことです。ニューヨークのタイムズスクエアで買い物をした時、50ドル札を透かし、厚さや感触を何度も調べられる経験をしました。まるで疑われたように感じられました。その理由を尋ねると50ドル札は偽物が作られやすいらしいという話でした。偽札を使われないよう、確認しているそうです。日本では経験できないことだと思いました。

潮﨑 優花(特別進学国際教養コース2-1)
私の今回の研修旅行のテーマであった環境に優しい製品の人々の利用状況を調べることができ、実際に、そのような製品を利用し、市民の環境への配慮の意識が高いのかどうかを確認することができました。例えば、ニューヨーク市内ではプラチックのストローがまだまだ使われており、ごみの分別もなされていないことに驚きました。さらに、SDGsについて知らないアメリカ人も多いことを知り、さらに考えさせられました。そして、国連を訪問してたくさんの話を聞くことができとてもいい経験になりました。

小林 悠華(特別進学国際教養コース2-1)
日本にいては絶対できないような経験をたくさんし、日本の良さもたくさん発見できたので、参加できてよかったです。例えば、宗教の違いへの配慮を特別なものとするのではなく、当たり前のようにできることが大切だと思いました。また、多様性を認めるということは、反対意見も尊重して認めていくことや対話を続けていくことが欠かせないことも感じました。また、町でのショッピングでは店員さんの、お客様への対応の仕方に日本とアメリカで違いがあることも感じ、日本のほうがより丁寧で気配りができているように思いました。私も、そのような気配りができる人になりたいです。

松原 妃咲(特別進学国際教養コース2-1)
日本と違う異文化が混ざり合うアメリカで過ごした1週間はとても刺激的でした。例えば、国際連合内では、英語だけでなくフランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、アラビア語が国連公用語となっていることを知りました。国連のグテーレス事務総長は武力での国際問題解決を容認せず、平和的解決に奔走されていることを学び、直接交渉することの大切さを感じさせられました。また、銃による事件が多いアメリカですが、銃について特に危機意識が高いわけではないことも感じました。今回の研修旅行に参加して、インターネットからでは分からないことを学ぶことができ、とてもいい経験になりました。

梅谷 青南(教養コース2-2)
脱プラスチックを主に調べ日本にはないさまざまな取り組みを知ることができました。ニューヨークにある国際連合の施設内では、水を入れるのにペットボトルではなく、紙パックを利用していました。また、極力、紙への印刷をしない工夫もされていました。ただ、国連内に比べると、ニューヨーク市内では、まだまだ脱プラスチックなどの動きが少ないようにも感じられました。実際に現地を訪ねることで、自分の持つニューヨークのイメージが変わる経験をすることができました。

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